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『故郷に「月の沙漠像」残し』個展が急きょ「遺作展」に ~静岡新聞記事より

藤枝市出身の彫刻家・竹田京一さん(64)=東京都在住=が 19日、バイクの転倒事故で死去した。 今月5日には藤枝市郷土博物館で開かれた自作の「月の沙漠像」除幕式に列席し、作品にこめた思い、今後の夢を旧知の友らと語り合ったばかりだった。 「月の沙漠」を越えていく旅のラクダ2頭のブロンズ像が、竹田さんの遺作となった。 竹田さんは、藤枝市上間に生まれ、県立藤枝北高を卒業。 新制作展新進作家賞受賞などを経て、新制作協会の会員となり、東京都町田市に構えたアトリエを拠点に制作活動を続けてきた。 同郷の加藤まさを氏(1897~1977年)が作詞した「月の沙漠」にちなむ作品は、加藤氏が晩年をすごした千葉県御宿町の海岸に建つ「月の沙漠・駱駝(らくだ)像」に続く2作目。文学館の建設運動に参加する藤枝ロータリークラブが竹田さんに制作を依頼。 「文学館のシンボルに」と藤枝市に寄付した。 「2002年の藤枝北高・創立百周年に向けた作品制作や、藤枝と御宿の有効のつな渡しなど、あれこれと夢を語り合ったのに・・・。残念無念」と、話すのは「月の沙漠像」建立の発起人となった小林治助さん(87)。 除幕式に出席した八木金平市長は、「竹田さんは『生まれたところで、こういう作品を作らせていただきありがたい』を話していた。 『これからも頑張ってください」と声をかけたのに・・・』と表情をくもらせた。  「月の沙漠像」をはじめ、竹田さんの彫刻やデッサン画は、今月いっぱい「藤枝市郷土博物館」に展示中。 また、竹田さんの個展を開催中だった 同市大東町のアートギャラリーマルソーでは、23日までの会期を30日まで延長し、「振り返る女」など 約30点を紹介する。 ともに遺作展となった。